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ロゴス教会は、八王子小比企町に開堂して今年(2008年)で25周年を迎えますが、開堂間もない1985年に『信徒の友』(日本キリスト教団出版局)3月号の「教会の表情」という連載企画ページで紹介されました。
この欄は著名な写真家・児島昭雄さんが全国の教会の建物とそこに集う人々の様子を紹介したもので、連載は現在も続いています。そこで児島昭雄さんと編集部のお許しをいただきましたので、改めて掲載記事をとおして、多くの兄弟姉妹に、ロゴス教会についての認識を新たにしていただければ幸いです。
教会の表情 (『信徒の友』1985年3月号より)
児島昭雄
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ロゴス教会 外に向かって開かれた礼拝空間
八王子市といえば甲州街道沿いの町として昔から知られているが、近頃では東京の衛星都市として多くの工場や学校などが進出し、大規模な住宅地が急増している。
そうした地域のひとつ、京王高尾線の山田駅を降りて南へ数分の台地、小比企町にロゴス教会がある。広いT字路に面してコンクリートの地肌を見せた円形の壁画に沿って、ガラスが青白く光る窓が並ぶ低い建物、鈍く光る金属製のドア、UFOのようだ、という紹介記事を新聞で読んだことがある。
一見モダンな造りの図書館か美術館といった印象でもある。よく見ると正面の金属のドアに美しい装飾とLOGOSという文字がエッチングされているのが読める。本誌の表紙でもおなじみの渡辺禎雄氏の作という。 教会堂といういかめしさがないので、ドアを押して中に入るのにあまり抵抗感がない。それが最初からのこの会堂建築のねらいだったようだ。正面から見た時は一階建ての低い建物だと思っていたが、入口と同じフロアーのロビーを抜けると、突然目の前に広々とした明るい礼拝堂の全景が見おろせる通路上に立つことになる。階下に礼拝堂のフロアー、そこから頭上まで吹き抜けの高い天井、正面にある講壇の背後には床から天井まで達する縦長の大きなガラス窓があり、その窓の向こうに明るい外光を浴びた白い十字架が目にとび込んでくる。わずかに散り残った紅葉をつけた自然樹林とどこまでも広がる秋空がその背景になっていた。
礼拝堂の正面は、その正面の窓を要にした扇の形で放射状に広がり、会堂の後方の円弧状をなす壁画まで達している。天井はその窓の上端部で最も高く、そこからやはり扇状に広がりながら徐々に低くなって後方の壁画まで達する。こうした空間構成は、この建物が道路面から急傾斜で下る斜面を利用してつくられているためである。
従って私たちは礼拝堂右側の壁に沿って下る階段を一階分ほど降りることによって、礼拝堂のフロアーに立つわけである。 ここに立つと初めて会堂背後の円弧状の壁面が見えてくる。シネマスコープのスクリーンのようなその壁面全体は鮮やかなスカイブルーに彩られ、その中に宮城まり子の描いた童話的な壁面が見られる。床面には小さなテーブル付きのカラフルな椅子が並び、壁面のブルーと共に、冷たくなりがちなコンクリート壁に囲まれた空間に温か味を与えている。
もともとこの教会は目白にあったが、山本三和人牧師の構想によって1983年に、ここ八王子にこのユニークな会堂が建設された。
「教会堂の壁ひとつ隔てた内側は声域であるという閉鎖的な考え方は私は反対です。教会堂の中に神が住まわれるのではなく、そこは私たちの祈りの場であると思う。だから外に向かって開かれた教会をつくりたいと思った」
入りやすい入口、礼拝堂の窓の外に十字架を配したのもそのため、と語る山本牧師の思想を受けて、栄久庵憲司の率いるGKデザインによって設計されたのが、この前衛的な教会堂である。
GKのスタッフは、一年余りにわたって教会に足を運び、何度も礼拝の説教を聞いて、どんな建物がふさわしいかを研究して設計に反映させたという。
礼拝や集会には目白時代からの教会員が遠くからやってくるが、新たに地元に住む人たち、当地にある大学の先生や生徒たちも教会を訪れるようになったという。
カフカの研究で知られる山本牧師のユニークな説教の魅力もあって、開かれた教会への構想は着々と成果を上げつつあるようだ。
(記事は1985年日本キリスト教団出版局発行の『信徒の友』3月号から転載しました、写真はロゴス教会が撮影したものを使用しています)