100周年に思うこと
(「LOGOS No.7」1989.11.7より)
田渕 好子
在天の父なる神様、
ロゴス教会が記念すべき100周年を迎えることができましたことを心より感謝申し上げます。
戦前、山本先生が赴任された牛込矢来町の福音教会から続いて100年目、戦後の焼野原から教会復興の担い手として英文科も卒業なさっている先生がロゴス英語学校を設立、「費えなき伝道」をモットーに目白の地より再出発したのでした。
福音教会の流れをくむロゴスは当時、東京でいちばん宣教師が多く「生きた英会話を学べる」ので広く知れ渡りました。その中で山本先生が担当される授業は一貫してキリスト教文学に徹しておられました。多くの生徒はその授業内容に魅了され、日曜日には教室が礼拝堂に変身する「ロゴス教会」に出席して山本牧師の語られるキリストに接することができたのです。
目白時代からのロゴス教会の信徒はこの道をたどった人が過半数でしょう。青春時代をロゴスで過ごした私もその一人です。
先生はいかなる時も冷静で謙虚で、教会の発展のみを考えておられる姿が静かな言葉の端々に現れておりました。神様のご計画は我々には解りませんが、時が経つとうなずけることが多々あります。
八王子へ移って間もなく、偶然にも先生の恩師であられる福富先生(旧青山神学校教授)が新教会開堂の記事を御覧になり、ご夫妻で礼拝に出席されるようになりました。更に、暖かいお人柄の先生は月に一度、お説教を担当され、また礼拝後の勉強会のご指導まで引き受けてくださいました。残念なことに先生は2年前のクリスマス週間に、翌日の説教の原稿を枕許に用意されたまま天国へ旅立たれました。
八王子での山本先生は健康を与えられ、世界の著名な文学作品を通じて神の言葉を我々に語り継いで下さいます。その素晴しい説教に感動して、いく組みものご夫婦や信仰を求める熱心な兄弟、姉妹集いいます。
愛に優るものはないと説くキリストの精神を今こそ、この殺伐とした潤いのたりない時代に取り戻さなければならないと思います。
主に在って、我々は常に兄弟姉妹です。
心を一つにして信仰が貫けますよう、お互いに励まし合いながら人生を歩もうではありませんか。
主とともにおおらかに。