アイルランドの教会との交流
山崎 多恵子
2009年の秋、当時日本におられた古池みどりさん(伝道師)が、以前アイルランド・ダブリン留学中に大学で知り合われた友人Pauline Dalzellさんを伴ってロゴス教会の礼拝に出席されました。私はつたない英語でPaulineさんと少しお話しましたが、彼女はロゴス教会のドアのロバの彫刻や、あちこちに置かれたロバのぬいぐるみにとても興味をもたれたようで、たくさん写真を撮ってお帰りになりました。
その後古池さんはご主人(Dalla McDonellさん)の転勤により、幼い里音君と共にオーストラリアに転居なさり、それ以後、私は古池さんに代わってPaulineさんの教会《St. John’s Church》とロゴス教会を結びあうべく、メールの交換を始めました。イースターやクリスマスといったイベントにはお互いの教会のメンバーのサインを入れたカードを送り合っていますが、Paulineさんからのカードにはいつも何か意味が込められています。
最初に送られて来たロバの写真の絵はがきには“HELLO FROM IRELAND”と印刷されており、裏面に《聖ヨハネ教会》メンバー達のサインがありました。更にもう1枚“I‘ve bought you a
donkey!”(あなたにロバを買いました)と書かれたカードが…。Paulineさんからのメールや、私が調べたことから、次のようなことがわかりました。
Paulineさん達はロゴス教会にゆかりのロバにちなむ何かを送りたいと考えた結果、ダブリンで開発途上国援助活動をしている《Concern Worldwide》という団体に、ロゴス教会に代わってロバ1頭分(40ユーロ=5000円弱)にあたる寄付をして下さった。カードは団体からのお礼だったのです。この団体では、9ユーロの子ブタ1頭から、ウサギや鶏、ヤギなどの小動物、食料やテント、給水ポンプ、最高1000ユーロの灌漑設備などまで途上国に送る食料、資材、医療、教育に必要なものに充当する金額を設定して寄付できるシステムになっているのでした。
昨年初夏には、《聖ヨハネ教会》の青年George Beattie君が脳腫瘍の手術をするので、彼の為にロゴス教会の皆さんもお祈りをしてほしいとのリクエストがあり、ロゴスの週報に掲載してお祈りをしたとメールで伝えたら、とても喜んでくださいました。彼は一応元気にはなったそうですが、父親の後を継いで農業をすることはできなくなってしまったとのことでした。
昨年12月に届いたクリスマスカードは、雪景色の中、灯のともる小さな教会が描かれたものでしたが、それは《アイルランドがん協会》が発行したものでした。これには本当はメンバーの寄せ書きをしたかったけれど、12月5日はアイルランドでは珍しい大雪のために足が断たれ、教会で礼拝を持つことができなかった。そこでクリスマスに間に合うよう、Paulineさんがお一人で送ってくださったということが書き添えてありました。
同じころ、ロゴス教会からも12月5日の礼拝後、山本牧師始め多くの皆さまにサインをして頂いたカードを送り、クリスマスには間に合うと思ったのですが、なんと「今日届いた」と連絡があったのは2月4日でした。Paulineさんが教会のみなさんに「ロゴス教会からカードを送ってくださったそうですが、残念なことにまだ届いていません」と話したら、1人のご婦人が「きっと来るわよ!」と言われ、その通りになったというエピソードが添えられていました。
クリスマスに寄せ書きができなかったからと、1月に改めて教会メンバーのサイン入りで送られてきたのがこのカードです。いかにも英国の古い教会といった趣のあるスケッチで、この《聖ヨハネ教会》会員のLisa O’Brienさんが描かれたものです。このカードの寄せ書きには残念ながらLisaさんのサインがありません。風邪でお休みだったとか。
カードは教会の建物を維持するための募金を集める目的で作成されたとのこと。カードの裏面には、教会の歴史が記されていますが、1833年に地元の有力者から提供された土地に900ギニーの献金によって建てられたそうで、もう180年も経つ古い教会ということになりますね。
《聖ヨハネ教会》はダブリン空港から40キロ余りのウィックロウ州・クロウリーという、(古池さん曰く箱根に似ている)小さな町(写真)にあります。アイルランドという、歴史と独特の文化のある国を、いつか機会があれば訪れてみたいと願いつつ、Paulinさんからの英文メールに苦心惨憺しながらお返事を書いています。特にメールの最後のYours in Jesus、 With Christian greetings to
you all、Wishing
you and everyone in Logos Church joyful Easter blessings などという一言には、いつも大いに感心させられ、どうお返ししたらよいのかと無い知恵を絞っています。
Paulineさんはご子息が東京で仕事をしておられるので、近いうちにまた日本に来られ、ロゴス教会を訪ねて下さるかも知れません。 〈終わり〉