私を見守る方

08.10.19 神代植物公園にて野外礼拝

飯沢忠牧師

(田園調布教会協力牧師)

詩篇1211-8

 目を上げて、わたしは山々を仰ぐ。わたしの助けはどこから来るのか。

わたしの助けは来る 天地を造られた主のもとから。

どうか、主があなたを助けて 足がよろめかないようにし、まどろむことなく見守ってくださるように。

見よ、イスラレルを見守る方は まどろむことなく、眠ることもない。

主はあなたを見守る方 あなたを覆う陰、あなたの右にいます方。

昼、太陽はあなたを撃つことがなく 夜、月もあなたを撃つことがない。

主がすべての災いを遠ざけて あなたを見守り あなたの魂を見守ってくださるように。

あなたの出で立つのも帰るのも 主が見守ってくださるように。

今も、そしてとこしえに。

この詩は「都に上る歌」とありますように、巡礼者の一団がエルサレムに近づいたとき、エルサレムの山を望んで歌ったものであります。詩篇の中でも最も親しまれたもので、この後に歌われる讃美歌にもなっています。この詩篇は今、交読しましたように巡礼団の指導者によって歌いだされ巡礼者が応えて歌ったものであります。

121:1) 巡礼の長い旅においていろいろな困難が襲ってくることがあります。私たちの天の御国へ向う信仰の旅にもいろいろなことが起こります。その時、信仰をもっているとはいえ、不安と迷いが生じる。指導者は1211「目を上げて、わたしは山々を仰ぐ。わたしの助けはどこから来るのか。わたしの助けは来る 天地を造られた主のもとから。」と歌い巡礼者の疲れた体と心に力を与える。私たちが日曜日に教会に来て、野外礼拝で御言を聞くことは、そのことであります。

この121編には「見守る」という言葉が5回出てきます。疲れた足がよろめかないように、疲れて眠ることがないように「見守ってください」と歌っています。

 (5)主はあなたを見守る方で昼の太陽の光りで熱射病にならないように、右の手であなたを覆う陰をつくって保護してくださいます。ヘブルでは「右」は南を指し、熱い日光の来る方向、(6)「昼、太陽はあなたを撃つことがなく 夜、月もあなたを撃つことがない。」当時、満月に打たれると発狂するという信仰があったようであります。

 (7)「主がすべての災いを遠ざけて」 主イエスも主の祈りの中に「試みに会わせず悪より救い出してください」と祈るように教えています。たとえ肉体が駄目になっても「魂」を見守ってください。そして最後に(8)「あなたの出で立つのも帰るのも」 即ち「日々の生活」を今も、そしてとこしえに主が見守ってくださるようにと歌っています

 私たちはこの深大寺の植物公園で「天地を造られ私たちに右の手をかざして絶えず見守って下さる神を賛美したいと思います。

 ここで私の「登山」のお話をしたいとおもいます。一つは富士登山です。私は神学校へ入るために北海道から上京しました。神学校2年の時、胸に10円玉くらいの影があり、清瀬の結核療養所に入ることを勧められました。その私はあの賀川豊彦先生のことを思い出しました。先生は結核になり、今日の癌のように当時は死の病でありました。1224日クリスマスイブの夜、教会ではクリスマスイブを祝っているとき、青年賀川豊彦は大八車に寝具とその他の必要品を積んで神戸の貧民屈で死のうと決心して、そこで子供や病気の人々と共に生活をしました。その先生は70歳過ぎるまで神様の御用をして召されたのです。

 私は先生のまねをしようと決心しました。昼間働いていた国鉄を退職して目白の神学校に入り、昼間は校舎の陽の当たるところで療養をかねて勉強をしていました。ロゴス教会は目白駅の側にありましたね。その時、田園調布教会の牧師であり、神学校の教授である岡田五作先生から声をかけられ田園調布教会で昼間は働き、夜は先生と一緒の目白の神学校に通いました。そして私の結核は癒されたように感じ、教会の青年たちと一度、富士登山を試みました。121:1「目上げて、わたしは山々を仰ぐ。」と思っていましたので、これに挑戦、病が癒されたかを試したのです。それから77歳の今、老人の結核があると聞いて、気をつけながら神様の御用のために生活をしています。

 もう一つの登山はシナイ山登山です。10年ほど前、代々木教会の会堂建築が終った記念に32名の方々とシナイ山とイスラエルの旅に出かけました。シナイ山は9名で登りました。

この登山のためにスポーツセンターに通い、準備をしました。足を鍛えるために自転車こぎがいいと言われ、毎日トレーニングをしました。標高2285b、午前2時に出発して山頂でご来光を仰ぐ4時間の登山であります。最後は900の急な階段を40分かけて登る難所、ここは登山家の教会員の指導を受けながら無事登ることができました。

1213 どうか、主があなたを助けて 足がよろめかないようにし、まどろむことなく見守ってくださるように。私たちの人生の旅は天国へ向っての旅であります。詩篇121編を歌いつつ共に信仰の旅を続けたいと思います。

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