クリスマス
山本三和人
クリスマスは主イエス・キリストのご誕生をお祝いする日ですが、キリストとはどんなお方であったでしょうか。キリストは、宗教的な天才でもなければ優れた教育者でもなく、預言者でもなければ人神でもありませんでした。すなわち、難行苦行と修練とによって自らを神にまで高めた人でもなければ、自分の意志の力で神を否定し、自らを神に祭り上げた人でもありませんでした。パウロが述べるように、キリストは人類に対する愛ゆえに、「神のかたちであられたが、神と等しくあることを固守すべきこととは思わず、かえって、おのれを空しゅうして僕のかたちをとり人間の姿になられた」(ピリピ2:6-7)
神でありました。キリストは神になった人間ではなく、人間になった神でありました。クリスマスは、人神ではなく、神人のご誕生であることを心にとめて、神人キリストをお迎えするにふさわしく信仰の姿勢を整えなければなりません。そして、神人としてのキリストをお迎えするにふさわしい準備の一つは、私たちの心の中に落ちた人神の種が、もう芽ぐみかけているかもしれません。自分を人神に祭り上げた人には、イエスのご誕生を喜んで迎えることはできません。ですから、私たちの信仰意識と生活から人神思想の種を取り除き、その芽を摘み取ってクリスマスを迎えなければなりません。