2011年度、教会宣教への基本的な姿勢

  山本俊正牧師

 私たちが住むこの地球では、時として予測ができないような自然災害が起こります。311日、東北地方を中心にマグニチュード9.0という国内観測史上、最大のエネルギーの地震が起きました。2度、3度、4度と強烈な揺れが日本列島を襲い、巨大な水の塊が、太平洋沿岸に押し寄せました。まるでオモチャのように、ひきずられてゆく車、流れ出す建物。みるみる水没してゆく漁港、住宅街。科学や技術がいくら進歩しても、自然の猛威をまえにした人間は、とても小さな存在です。変わり果てた小さな姿をがれきの間で見つけ、泣き叫ぶ母親。流れてきた民家のトタン屋根にしがみついて救助された漁民。恐ろしいほど多くの人々の命が失われ、行方不明者が出ました。今でも、みを寄せるところのない人々が不安な夜を過ごしています。

 イエスはその生涯、「最も小さき者」の一人として、「飢え、渇き、宿なく、裸で、病にたおれ、獄中にある人々」(マタイ25章)と共に歩まれました。そしてイエスはまさに、自ら「最も小さき者」である「罪人」として十字架で処刑されたのです。イエスの福音は自らが当時差別の対象となっていた「最も小さい者」と同一化していたことを根拠にしています。私たちは、今年も日本の社会に現存する差別や偏見を克服するための働き、また、「最も小さい者」とされた人々への癒しと、隣人としての奉仕の働きを教会宣教の根幹とすることを確認したいと思います。

 教会の宣教とは伝道であると同時に、教会を含む社会の様々な問題への取り組みです。

また、教会の宣教とは、教会の名においてなされる働きだけを意味しません。教会に連なる一人ひとりが匿名性をもって隣人や社会に仕える働きが含まれています。今年度も、教会の宣教のために共に祈り、共に仕えてゆきたいと思います。

2011年度も昨年に引き続き、以下の事柄を宣教の課題とし、役員会及び教会員の皆様と相談しながら具体化したいと願っています。

1)発信する教会へ

教会のホームページが大変有効に機能しています。より多くの人たちにロゴス教会の礼拝や教会活動の紹介を含めた教会情報が発信されています。ホームページを見て、教会に足を運んでくれる人たちもいます。また、クリスマス礼拝やCNCコンサートの開催に加えて、地域に教会の存在を更にアピールする機会を継続的に増やすなど地域社会との連携を強化したいと思います。

2)共に祈り合う教会

祈りは私たちの信仰生活の基本です。昨年同様、毎週日曜日の礼拝で行う共同の祈りに加えて、教会員の一人一人を覚えて、また友人、知人を覚えて祈る機会を増やしましょう。教会員の祈りのネットワークを強化したいと思います。

3)平和を作り出す教会へ

聖書は「平和を実現する人々は幸いである」(マタイ5:9)と私たちを平和の使徒として生きることに招いています。核兵器廃絶の期待が世界で高まっています。現在の日本の状況に対して、教会ができること、すべきことを模索しながら、平和を祈り、語り、行動する教会でありたいと願います。

4)アジア、世界に連なる教会

ロゴス教会はキリストの体に連なる教会であると同時に、アジアや世界の教会に連なっています。アジアや世界が直面する痛み、困難、希望を覚え、共に祈り、また可能であれば課題を選択し、今年も具体的に世界の課題に応答し、支援の取り組みを支えていきましょう。

5)捧げる教会

教会の強さは、自らがどのくらい所有しているかではなく、どのくらい捧げているかによります。今年度も、教会及び一人一人に与えられた、神様からの豊かな賜物に感謝し、捧げること、仕えることを宣教の基本とします。                             

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